富士北麓の四季

大自然の霊妙なシンフォニー

 厳しい富士山の表情が少しゆるんでくると、黄色や淡い紅の花々の間を蝶が群舞し、小鳥の声も春めく富士北麓です。5つの湖に美しい姿をうつす富士山を背景に、桜の花がみごと。富士桜のひそやかな花弁、レンゲツツジの色も鮮やかに、高原の花は喜びにあふれ、裾野いっぱいにくり広げられる春の宴を楽しんでいます。それは、さながら生命の喜びを奏でるシンフォニーのように北麓いっぱいに響きわたり、麓から山頂に春がかけ登っていきます。7月1日のお山開き。北口本宮冨士浅間神社の厳粛な神事で冨士登山の安全が祈願されると、待ちかねていた人々が山頂を目指して登りはじめます。夏の五湖にはボートが浮かび、ウィンドサーフィンの花が水面に咲きます。風を切っての湖畔サイクリング、静かな落葉松林の散策、民宿での語らい。どれもが楽しい夏の思い出です。テニスに、合宿に、北麓の夏は若い人々の歓声であふれ、お山じまいの日までの短い夏を惜しんで若さを燃焼させています。

富士山 富士桜

8月26日、27日の吉田の火祭りが、沿道を火の海と化し、ゆく夏に別れを惜しんでお山閉いが行われると、高原の秋の風情。コスモスが秋風に揺れて、虫たちのシンフォニーが広い裾野に響きます。空気がきれいに、キリッとしまっているから、紅葉の色も一段と鮮やか。赤や黄色に色どられた樹海の上に、色染め始めた富士が青空にくっきり、奥深い情報を秘めた北麓の秋です。冨士の傾きから雪が次第に下り、上半分位が白く覆われると、厳しい冬の到来。でも寒い分だけ人情を温めて暮らしている人々の、ひっそりとした高原の冬です。


※最終更新日:2011年1月21日